豊かに生きるということ 2

現在、日本は世界一の長寿国になったといっても、人口の高齢化率は、先進国のなかではまだ低いものです。


長寿化も急でしたから、高齢者の割合はまだそれほど多くはないのです。


今、世界で一番高齢化が進んでいるのはスウェーデンで、高齢化率はすでに16%を越えており、11%ほどの日本に比べるとはるかに高いです。


そこから国に活力がなくなってくることにもなります。


日本にまだまだ活力があるのにはいろんな理由がありますが、その一つは、急激に世界一の長寿国にはなりましたが、高齢化率はスウェーデン、ドイツ、イギリスなどに比べるとずっと低いということからきています。


しかし日本は、世界に例のない急激な長寿化と急激な少子化の両方から、世界に例のない速度で世界に例のない超高齢社会に突入します。


創価学会 仏壇の前で手を合わせているお年寄りも多いです。


もっとも、高齢化はどこまでも進むものではなく、どこかで横ばいになります。


人間は長生きするといっても、どこまでも長生きするものではないからです。


今、欧米諸国は、高齢化が横ばいになりつつあります。


しかし、日本は今、伸び盛りで、厚生省の発表によれば、今世紀末には今日のスウェーデン並みになり、2012年に23・8%という高率に達してようやく横ばいになり始めるのだそうです。


これは人類のいまだ経験したことのない高齢社会です。

豊かに生きるということ

自由な時間をどう過ごすか、どうすれば生きがいのあるものになってくるのか、というようなことが非常に重要になってきます。


これは生協にとって他人事ではありません。


大いに考えなければならないことです。


なぜなら、生協の目的には生活文化の向上を図ることがあるのだからです。


人間はただ生きるだけではなく、よく生きることを求めます。


時計 ジェイコブなどブランド品を買うこともそうでしょう。


アリストテレスも、人間は「生きる」だけではない、「よく生きる」ことが問題だ、といっています。


ただ長生きするだけではなく、その人生の内容を豊かにしていかねばなりません。


この間題は、トータルとしての生活向上を目ざすべき生協の重要な関心事となるのでなければならないでしょう。


また、人々の長寿化から、社会的には高齢化問題という大問題が生じてきます。


社会的に見れば、人々が長生きをするようになるということは、高齢者の割合がどんどん大きくなり、人口の高齢化が進むということです。


それとともに、例えば、社会保障のような国家の体制そのものが問題となってこざるをえません。

「豊かな社会」になって 2

今日ほど人類が長生きする時代はありませんでした。


しかも今日、日本ほど長生きする国はないのです。


最近はノルディックポールなどのエクササイズも流行っているようですし、ますます長生きになるかもしれませんね。


こういう時代に、この日本に生まれあわせたことを、お互いに感謝しなければならないでしょう。


この限りではめでたしめでたしですが、しかし、ここから起こってくるいろんな問題もあります。


一つは、定年後も一般に長いもう一つの人生があることです。


60歳で定年でも、男であと平均20年の人生があります。


女だと平均まだ24年の人生があります。


長生きすれば、もっともっと長いもう一つの人生となります。


「余生」などという言葉は、「古稀」という言葉とともに返上しなければなりません。


そして、この長いもう一つの人生のために準備が必要になります。


カネやカラダについてだけではありません。


ココロについてもそうです。


定年後は「毎日が日曜日」ですから、戦前の人が考える必要のなかったことを、今の人は考えておかなければなりません。


そうしないと、生きられないようになるかもしれません。


誰もに問題になる一種の人生問題です。


かつては一般になかった新しい人生問題が起こるのです。

「豊かな社会」になって

平均寿命はもう2~3年伸びるのだそうですが、昭和62年の統計によってみても、男で75・61歳。


昭和の初期に比べて30年余り伸びており、女性の方は81・39歳で35年ほど伸びています。


いずれも戦後伸びたのですが、それでも昭和30年頃は、平均寿命はようやく60歳ほどで、先進国では最も短命でした。


それがどんどん伸びていって、ついに数年前から世界一の長寿国になりました。


それまで世界一の長寿国はアイスランドでしたが、日本は今日、男女ともにそのアイスランドを追い越してしまったのです。


・・・念のためにいいますが、これは平均寿命であり、平均寿命というのは、生まれたばかりの人が平均何年間生きるかということを示すものです。


ゼロ歳の人の平均余命です。


小さい子供で亡くなる人もあるから、一定の年代まで生きたら、一般に平均寿命よりだいぶ長く生きるということになります。


最近は60歳定年になっていますが、60歳の人でも今では平均して、男であと19・94年、つまり20年近く生きるのです。


60歳まで生きた人なら、男でも平均80歳くらいまで生きるというわけです。


女性では、60歳の人の平均余命はちょうど24年。


つまり60歳まで生きた女の人なら84歳までは平均生きられるので、84歳までに死んだら早死にだということになります。


・・・しかもこれらは昭和62年の数字です。


もう数年伸びるのだそうですから、大変なことです。

日本の変化 2

よくいわれるこの「豊かな社会」という表現は、多分ガルブレイスの『ゆたかな社会』という有名な本の表題からきたものと思われます。


「豊かな」と訳してもよいでしょうが、もともとの意味は「あふれ出る」ということです。


日本語では「満ちあふれた社会」といった方がピッタリするように思われます。


たんなる豊かさではなく、満ちあふれた世の中です。


・・・実際、日本の社会はそうした時代に入っています。


モノが満ちあふれています。


必要なものは何でもあり、しばしばモノの処分に困ってさえいます。


「飽食の時代」ともいわれていますが、誇張でもなんでもないと思われます。


もはや日本は決して貧しい国ではありません。


少なくとも衣食の点で見る限り、生活のフローで見る限りでは、世界で一番ぜいたくな国だといっても過言ではありません。


豊かな社会になるとともに顕著になってきたことは、日本人が急に長生きをするようになり、ついに世界一の長寿国になったことです。


昭和の初頭(昭和1~5年)の日本人の平均寿命は、男で44・8歳、女で46・5歳でした。


この状況は第二次大戦が終わる頃まであまり変わりはなく、若干伸びはしますが平均寿命は40歳代です。


定年の頃まで生きていた人はほとんどいなかったわけです。


ところが今では、還暦といってもまだ"若造"ですね。

日本の変化

まず、日本の社会が経済的に非常に発展し、社会がいわゆる「成熟化」日本の社会は今や世界の最先端に躍り出してきていることです。


今日、先進国では猛烈な技術革新が始まっていますが、今のところ、世界の最先端を走っているのはアメリカと日本です。


かつてはイギリスであったしドイツでしたが、今回の技術革新では日本はアメリカとともに先端に立つようになったのです。


もう他の国にまねるのではなく、自分自身で新しく開発していかなければならない・・・


そういうトップに立ってしまったということです。


しかも、これは技術だけではなく、経済や政治の面についてもそうなってきました。


明治維新のときも、第二次大戦が終わったときも、他にモデルがあったわけで、モデルに従って努力すればよかったのですが、今は最先端にいるからモデルはありません。


おまけに世界全体が大転換の時代に入って新しい方向を模索しています。


いわばモデルなき選択の時代です。


日本にとって、今日ほど創造性が要求されることはかつてなかった、といっていいでしょう。


・・・こういう動きと結んで結果してきたのは「豊かな社会」化です。

世界が変わる

日本は明治維新で大きく変わりました。


戦争に負けたあの敗戦時にも大きく変わりました。


今は明治維新のときのような内乱はなく、敗戦のときのように戦争に負けて外国の占領軍が入ってくるといったようなこともありません。


・・・しかし、わたしたちの生活自体が変わるという意味では、明治維新時よりも、敗戦時よりも、変化はもっと大きいかもしれません。


世界が人類史的な規模でもって根底から変わっていこうとしているのですから・・・。


こういう世界の動きのなかで、われわれの生協は日本にあるのですから、わけても日本の動向が重要になります。


むろん、すべてにわたって見ていくわけにはいきません。


・・・以上に述べた世界の動きに関連し、生協の今後のあり方に直接関係のあるものだけを、とくに引き出してもう一度強調しておきましょう。

世界の経済事情 3

「ペルシャ湾の安全確保に加勢を」といえば、「専守防衛だからそれはできない」といいます。


日本が戦後の荒廃から立ち上がるときにあれほど助けたのに、です。


最近ことあるごとにアメリカは日本に文句をつけ、アメリカを先頭に"日本タタキ"(ジャパン・バッシング)が起こってきたのも、わからないこともないですね。


しかし、このことも、たんに日米関係の変化といったことだけでなく、アメリカの国際的地位の低下を物語るものともいえるでしょう。


こういう世界秩序の変化も、生協のあり方に決して無関係ではなく、重要な意味をもってきます。


後で若干触れたいと思います。


随分と長くなりましたが、以上見たように、世界の状況は一変してしまいました。


・・・これからもさらに変わっていくでしょう。


それを私は世界の「地殻変動」といっています。


私たちの生活の地盤がすっかり変わってきました。


これは人類史的な大転換であるといっても決して過言ではありません。

世界の経済事情 2

アメリカの貿易赤字はその後も増え続けています。


しかし、その半分とまではいかなくても、3分の1をはるかに越えるものが対日貿易の赤宇です。


従来の方針を捨てて為替レートへの積極的な介入を始めたことであり、そのために生まれたのがG5・・・


つまり日・米をはじめ先進5力国の蔵相と中央銀行総裁の会議です。


為替の操作は一先ー国だけでは実効は期しがたく、どうしても先進諸国の協力が必要だったためです。


こうして、ドル高の修正が行われ、円の急騰も始まることになります。


・・・これは、アメリカの180度のアメリカが自国経済の建て直しでさえも自分一国ではできないということです。


そして、アメリカの膨大な国債の半ば近くは日本人が買います。


こうしてアメリカが世界一の借金国に転落するときに、日本は世界一の金貸し国にのし上がってきました。


そこで、日本に「自国の防衛費をもっと出せ」といえば、日本は「GNPの1%内という枠があって、それ以上は出せない」といいます。

世界の経済事情

アメリカの財政悪化は、赤字に伴う国債の増発も一因でした。


アメリカの金利はべらぼうに高く、このためもあってドルも割高となり、輸出は抑えられ輸入は促進されます。


それに大幅減税は、レーガノミックスの予想とは正反対に、貯蓄ではなくて消費に火をつけ、それだけ輸入を増やして貿易収支の悪化を助長したのです。


また、高金利は外国の資金の流入を招くから、財政赤字は貿易赤字とともに、国外からの借金を増やしていくことになります。


・・・このため、今適切な対策でもって財政と貿易が均衡化していくとしても、今世紀末にはアメリカの対外純債務、つまり外国からの借金は、一兆数千億ドルという人類史上未曾有の巨額に達するものと予測されています。


いずれにせよ、アメリカはこのままではやっていけません。


ともかくも財政と貿易の赤字をなんとかしなければなりません。


こうして、1985年には、アメリカの政策は180度転換してきます。


まず、財政悪化の元凶をなす軍拡を抑えねばならず、そのためにはロシアとあまり事を構えてはまずい・・・。


85年秋以来の米ソ首脳会談の開催をはじめ一連の「新しいデタント」の動きは、こうして始まったと見ていいでしょう。


もう一つの政策転換は、同じく85年の秋からアメリカが従国際政治と国際経済でのこの二つの動きのもつ意義は大きい政策転換を示すものであるとともに、なくなったことを表わすものであるからです。


ついでながら、この場合、ことに日本との関係でアメリカにとって頭にくることがあります。

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